追いかけて~恋の行方

「お前さ、今日の午後、なんか予定ある?」

あたしの横から、アックンが極々自然に話しかけてくれる。

「えっ、別にないよ」

「じゃ、駅前、買い物付き合ってよ」

「なんか、デートみたいだね」

ちょっと、ドキってしちゃったよ。

「みたい、じゃなくて、普通にデートだろ」

「うわぁ……」

あたしはガバッと跳ね起きて、頬を押さえて唸ってしまった。

「な、なんか、恥ずかしいよ」

「何言ってんだよ、俺にキスした奴が」

「あ、あれは……」

あれは、なんか、自然に。

アックンの顔見てたら、好きだなぁって、自然と身体が動いてたっていうか……

あたしは一人モジモジと言葉に詰まって、あの時のことを思い出していた。