追いかけて~恋の行方

嗚呼、涼しぃ~い。

一枚上着を脱いだだけなのに、篭った熱気が吹き飛んで、爽やかな風が肌を撫でていく。

天国だぁ~

あたしもアックンを真似て、土手の斜面に倒れ込む。

「やっと脱いだな」

って、アックン、その言い方なんかいやらしいんですけど。

「あんま、見ないでよ」

あたしは、脱いだジャージを胸の上で握り締め、ちょっとムクレてみる。

「たかがTシャツ姿で、なに意識してんだよ、この馬鹿が」

上の方から手が伸びてきて、あたしの頭をコツンと叩いた。

アックンがあんまり優しくそう言うから、

なんか、ほんと、馬鹿みたいって、思ったんだ。