追いかけて~恋の行方

二人、土手に並んで腰掛けて、レモネードを一気に飲み干した。

「嗚呼、これ、うめぇなぁ」

「でしょう」

アックンは途中からジャージの上着をすでに脱ぎ捨て、土手に腰を降ろすなりあたしに後ろを向かせて、Tシャツも着替えていた。

二月も終わりに近づくと、晴れた日は、もう結構、暖かい。

あたしだって、ほんとは汗をかいて暑かった。

「お前も上着脱げば? 暑いだろ?」

アックンが不思議そうにあたしを眺めて言ったけど、

「あたしは大丈夫」

って、頑なに上着を脱ぐのを拒んでいた。

「へんな奴。まぁ、俺はいいけど」

アックンは大きく伸びをすると、土手の斜面に倒れ込んだ。

「身体動かすと気持ちいいな」

アックンの言葉に、あたしは素直に頷けない。

だって、胸は苦しいし、汗は掻いてベトベトしてるし、その上、上着を脱げないからめちゃくちゃ暑い。

嗚呼、もう、いいっ!

嫌われたら、嫌われたで……

あたしは、観念して、ジャージの上着を脱ぎ捨てた。