「どうした? レイ?」

そう言って心配そうに振り向いて、あたしに手を差し出してくるアックン。

アックン、優しいね、涙が出てきちゃった。

「なに泣いてんだ? 俺、なんかいけないこと言ったか?」

「あたし、胸でかくないよ。巨乳とかじゃないもん。気持ち悪くないよ」

やっとの思いで言ったのに、

「お前、なに言ってんだ?」

って、アックンが呆れた顔であたしを見る。

「だって、中学んときは、男子はみんな、あたしのこと『巨乳』とか言って苛めたんだよ。
サッカーの練習ん時だって、恥ずかしいからサラシ巻いて……
それでもみんな、変な目で見るから……

あたし悲しくって、高校は女子高にするって決めたんだよ」

あたしってば、もう、ヤケクソだよ。