俺は反則な展開に、思考を前に進めることができない。

目、開けていいのか?

俺、こういう場合、どうすればいい?

暫くの沈黙の後、俺が身動き出来ずにいると、

「ごめんなさい……」

掠れたような小さな声が聞こえた。

俺は慌てて目を開けると、その勢いで起き上がる。

そこには、膝を抱えて小さく丸まった麗がいた。

「なんで謝るんだ?」

「だって、怒ったんでしょ……」

「怒ってねぇよ」

「だって、目つぶったまんま、何にも言わないから……」

膝を抱えたまま、麗が掠れた涙声で呟く。

「嬉しすぎて、気絶してた」

「えっ?」

俺の言葉に驚いて、麗の泣き顔がこっちを向いた。

「俺もレイが好き。俺の彼女になれよ」

俺は小さく丸まった麗を丸ごと抱きしめた。

「謝って逃げるとか、許さねぇから」

離したくない、俺の今の素直な気持ち。

俺、何やってんだ?

こんな明るい太陽の下で……