中毒な彼

昼休み、紗英達と一緒にお弁当を食べていると大和が隣のクラスからやって来た。

「操、ちょっとええか?」

大和は、手招きをしながら言った。

「どないしたん?」

私は、大和に駆け寄った。

「ちょっと話たいことがあんねん・・・朝の事やねんけど・・・・。」

大和は、少し俯きながら言った。

「・・・分かった。ちょっと待っててもらえる?まだ、お弁当食べ切れてないねん。」

私は、ちょっと困惑した表情をしながら顔の前で合掌した。

「・・・・分かった。ほな、非常階段で待ってる。」

大和は、真剣な顔をしながら去っていった。

「どないしたん?」

席に戻った私を心配そうに見ていた紗英が言った。

「大和に朝の事で非常階段に呼び出された。」

私は、なぜ呼び出されるのか分からなかった。

「菅原は、何でそこまでして自分の本性を隠すんやろか?」

紗英が気難しそうな面持ちで言った。

「えっ?・・・大和が自分の本性を隠す?何でそんなことが分かるん?」

私の頭の中に疑問が湧く。

「それは今までの内容を聞いてたらそう思う。自分のことを知られてもいいと思ってるんやったら、わざわざ昼休みに呼び出す必要がないし、多分、菅原が呼び出した理由は窪田が放課後に言う事を鵜呑みにさせへんためやと思う。」

紗英は、淡々と言った。

「紗英・・・すごいな・・・・何か探偵みたいや・・・・。」

私は、感心してしまった。

「そんなことないよ〜。思った事を口に出しただけ。それより操、菅原の言った言葉こそ鵜呑みにしたらあかんで。操は、菅原が言ったことをすぐ鵜呑みする癖があるから・・・・。」

紗英は、真剣な顔で言った。

「・・・分かった。あくまでも半信半疑で聞いておく。」

私も真剣な顔で言った。

「その方がいい。相手の気になることは、他人から聞いたほうが良いときもあるで。」

紗英が優しく微笑みかけながら言った。

「・・・うん。分かった。私自身、大和の本性ってゆうのを知ってみたいと思うし鵜呑みにせーへんよう頑張る!」

私は、笑顔で言った。

お弁当を食べ終わり、私は非常階段へと向かった。