中毒な彼

それから1週間が過ぎた、放課後。

窪田君からまた呼び出された。

呼び出された場所もまたあの裏庭だった。

帰りのホームルームが終わり、大和に

「用事があるから帰ってて」

と伝えた。

「何の用事?」

大和は、険しい顔で聞いてきた。

「2組の窪田君に呼び出されたねん。」

私は、1週間前のこともありよく分からないまま呼び出された。

「そっかぁ。窪田に呼び出されたなら行かんでええで。」

大和は、怒った顔をして言った。

「何で?」

私は、疑問に思った。

「あいつは、たらしやから何されるか分からんで。」

大和は真剣な顔で言った。

「・・・・たらし?」

私には意味不明だった。

“窪田君がたらしとか言う噂を聞いたことないで。”心の中でそう叫んだ。

「噂にはなってないけど、結構色んな奴を口説いてるらしいぞ。男子の中でわ有名やで。」

大和は、真顔で言った。

「えっ?そうなん?」

私はその場で大和の言ったことをを鵜呑みにしてしまった。

結局、窪田君から呼び出されたものの“絶対、口説かれて断ってもしつこく口説かれ続けるから行かんでいい。”と大和の勝手な独断で私は待ち合わせ場所に行かず大和と一緒に家へ帰った。