記憶が…


「ない」


せっかくの着物も記憶が


「ない」


「なんか無くしたの薫風?」

「繭ちゃん…記憶を少々」


「…(よいよヤバイな)」


「繭ちゃん?」


「そっか…まぁ良くあるよ…にしても」


繭ちゃんの視線の先に居るのはみんなの皇子様で、私の彼氏(らしい)の秋山愁滋だ


そして横には蒼い瞳に金色の眩い髪をクルクルに巻いた美少女が居る


文化祭の後、突然このクラスに転校してきた

名はミシェリーちゃん


「ミシェリー凄いね」


「ですねぇ…あ、生徒会の手伝いもしてくれるそうです…執行部が居ないので助かります」


私は繭ちゃんを見てにっこり微笑む


「やぁ!!真面目に働くから許してぇ」


「冗談ですよ」


「薫風の意地悪…」


「かーおーるぅ!!」


「来たよ…厄介なのが」


文化祭の後、隣のクラスに来た
サクラヤマ トウヤ
桜山 藤夜


あの喫茶店事件の彼だ


「2人揃って金持ちはなんでもするなぁ…」


藤夜くんが私に近づいて来るとミシェリーちゃんも近づいて来た


「薫風!!」


「なんですか?ミシェリーちゃん」


「ちょ、ちょっといらっしゃい!!」


「今?」


繭ちゃんが鋭く睨む


「あなたには関係無いわ」


なんだろ様子がおかしい