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 背にした扉の向こうから、タンバリンと少女二人の歌声がこちらにまで届いていた。

俺は本日の業務の途中経過、というか思わぬ事態に陥った現在の状況をボスに報告するため、携帯をかけた。

「で、なにがどうなって、君らがアンテナちゃんとカラオケに行くハメになったんだ?」

「ヨドミちゃんが、アンテナ少女のラジオのリスナーだって言ったら、ものすごい勢いで意気投合しちゃいまして・・・」

「いいだろう。遅かれ早かれ、こちらから接触しなきゃいけなかっただろうし。俺も今からそっち行く」