しかし、ヒロ君が異様に私を気遣う。嬉しいのだが、半ば神経質の様に過敏になっている気がする。

最初に出会った時に私が過呼吸で倒れそうになったから、必要以上に責任を感じさせている?

こんな私の為に気を遣わせてしまい、申し訳がない。

「ご飯食べてからに買い物しようか?スーパー以外に寄りたい場所はある?」

「えっと……、本屋さんに寄りたいです」

街に出た時は必ず本屋さんにだけは立ち寄っている。少年漫画のコミックコーナーで自分の漫画がどのように配置されているか、見る為。ヒロ君と一緒だから、少年漫画のコミックコーナーに行くのは難しいかもしれないが、行くだけは行きたい。

「俺も参考書見たいから、本屋に寄ってからご飯をどこで食べるか決めよう」

「……はい」

完全にデートみたいだな。

高校時代から男の子と一緒に出かけたのは……、数えた程しかないな。

見た目もぽっちゃりしていて彼氏も居なかったし、目も腫れぼったい一重だから可愛くもなかった。茜ちゃんみたいに持って生まれた可愛い容姿の微塵もなかった。

現在はお金の力で解消出来た。

多分……きっと、現在の容姿は馬鹿にされないと思う。それに以前の私だとは誰も気付かないはずだ。