「オウガ、私は幼い頃からずっと思ってきたのだよ。

兄と私は光りと影。

いつも私は兄の影でしかなかった。」


「いえ、決してそのような事は・・・」


「よいのだ。

だから、私はこの日の為にあらゆる努力をしてきた。

ラドニアを栄えさせ、武力を蓄え、その日に備えてきたのだ。

このラドニア王国に君臨する為ならばその名など捨ててもよい、そう思ってここまで来た。

私の望むものは、名誉などではない。

成功という勝利だ。」


「おそらくは・・・その勝利はもうすぐ手の届くところにありましょう。

フェルナンド様・・・いえ、国王アルフレッド3世様。」


オウガは恭しく跪いて頭を垂れた。