「そうだ。 国王ではなく、その双子の弟、フェルナンドである。

そう伝えるのだ。

心優しい国王は、争いを避けるあまり、弟であるフェルナンドの再三の忠告を無視し、反ラドニア派であるナユタの侵入を許してしまう。

その結果として、ラドニアの官房長官にして最愛の弟フェルナンドを死に追いやってしまった。」


オウガがその後を続ける。

「当然の如く、その怒りはナユタへ・・・。

成る程。そういうシナリオですか・・・。」


「そうだ。他国への対応も、その方が都合がよい。

そしてオウガ、お前には私の代わりに官房長官として、ラドニアの経済と産業を従事ってもらう。」


「ありがたき幸せ・・・。

しかし・・・フェルナンド様、あなた様は本当にそれでよろしいのですか?

この世から、ご自分を消してしまわれるなどと・・・」


フェルナンドは壁に一面に貼られたラドニア全土の地図を眺める。