「しかしながらフェルナンド様。

他国とは決して争わないという亡き国王のご意志を、国王が亡くなったからといって、そう簡単に国民が忘れ去るものでしょうか。

しかも、今、王室への国民の批判は高まっています。

このまま、事を遂行していくのは難しいのではないかと・・・。」


ふっ ふっ ふっ・・・

フェルナンドはその口元を歪め、笑いをかみ殺す。


「いいか。 オウガ、よく聞くのだ。

国王は、亡くなられては、いない。」

フェルナンドは、オウガの目を見据えてゆっくりと言った。


「フェルナンド様・・・な、何をおっしゃって・・・」


オウガは苦笑し歪む口元をハっとして閉じると、ギラリと目を輝かせてフェルナンドを見る。

「もしや・・・。」


フェルナンドは無言で頷く。


「では・・・先ほど亡くなられたのは・・・」