(緑色の・・・マント。

廊下の奥で動いていた黒っぽい影は・・・その人だったの?)


「しかも、そいつはリゲルの港に度々来ていたらしい。

軍の者が何度か見かけた事があると言っていた。

大方、偵察にでも来ていたのだろう。

密輸業者に化けてな・・・。」


「密輸業者?!」

リディアは思わず顔色を変えた。


「ん?」

フェルナンドは眉を顰め、リディアを鋭く見る。


「いえ・・・ 何でもありません。」

リディアは俯いて、目を逸らした。



「さあ、リディア、後は私たちに任せて、お前はしばらく部屋に戻っていなさい。

明日は、国民に王の訃報を知らせなくてはならない。

そして、王の葬儀の準備をしなくては・・・。」