ナユタという言葉に、リディアの表情が一瞬こわばる。


「ナユタが・・・?

何故?何故、ナユタがお父様を殺さなくてなならないのです?」


「ナユタは、ラドニア王室を憎んでいる。

それは、ずっと昔からそうなのだ。

そして、ここ数年、反ラドニア体制の奴らがロトスに現れ始めた。

そこで、私はナユタの取り締まりを強化していたのだが・・・どうやら遅かったようだ・・・。」


「・・・。

でも、何故お父様を殺したのがナユタだと分かるのです?」


「血染めのマントを着ていたのだよ。

ほら、これだ。」


フェルナンドはべっとりと血の滲んだ深い緑色のマントを持ち上げた。


「ラドニアの人間で、こんなマントを着る者など一人もいない。」



リディアは唇を噛みしめて、それを見た。