「ユウリ・・・
ちったー大人になれ。

生きてくって事は、そういう事なんだよ!」


チッ!!

ユウリは、足元のザックを蹴飛ばした。


男は、おもむろに立ち上がり、小さな窓に垂れた布をひょいと持ち上げ外を覗く。


「お前、明日は帰った方がいいんじゃないか?

風が出てきたようだぞ。」


「ああ。そうするつもりだ。

親父が戻ったら、荷を積み込むとするさ。」

ユウリはそう言うと、テーブルの上の酒を一気に飲み干した。