Ⅹ（ｸﾛｽ）

「一発って、お前、それ･･･」


ユウリは慌てて足を下ろし、小声で付け加える。


「あ、本気にすんなよ！
ジャコスの言うことだからな！

大体、そんな事になったら、俺たち完全にヤバイだろ。
冗談じゃネェよな。」


「まあ･･･そうだな･･･。」

相手の男は、低く呟いて、カチリと煙草に火を点ける。


「ユウリ･･･」


「あぁ？」


「そろそろ潮時かもな･･･。」


「潮時って･･･」


「いつまでもコソコソ商売してられねェってことよ。
いい加減、あっちでまともな職探した方が身の為かもな。」


「冗談じゃねェ！
なんで俺たちが引かなきゃならねェー。」