アーリアはビクッとしてその手を上げた。

「それは…」

アーリアは言いかけて口隠る。


「 どうなさったの?」


アーリアは愛しむような眼差しをリディアに向けるが、その瞳はどこか憂いを帯びて見える。


「リディア、あなたにもっと早く話すべきだったわ。

こうなる前に…。」



「それは・・・あの、声の事…?」


「それもあるわ。
そしてもっと大事な事も…。」


アーリアは静かに話し始める。





「リディア、これから話す事は、あなたにとって辛いことかもしれない。

でも、いつかは知らなくてはならない事なの。

いいこと? リディア、これだけは信じていて。

私も、あなたのお父様も、あなたの事を心から愛しているわ。」


「・・・? 分かったわ。お母様。」

リディアは不安そうに応えた。