「お久しぶりでございます。 リディア王女。」

扉の奥には、動力炉の管理責任者でもある研究者、フランが立っていた。


「ごきげんよう。フラン。」


「早速ですが、今日はどういったご用件でしょう。

フェルナンド公とご一緒ではないようですが・・・。」


フランは鋭い目でリディアを見つめる。


「ええ。

今日は一人で来ました。

実は・・・ジプサムを見せていただきたいのです。」


フランは益々厳しい目でリディアに言う。


「リディア様、ジプサムの格納庫に行く事は大変危険を伴います。

物質の抽出およびエネルギーの精製は全て電子制御でやっておりますので、我々研究者でも、めったにそれに近付く事はありません。

まして、今日はリディア様お一人です。

許可する訳にはまいりません。」