厚い金属と強化ガラスで造られた巨大なその円柱の建物は、まるで要塞のような威圧感さえ感じられる。

車は関係者用の通路を通り、ドックへと入って行く。

入り口に車体が入った瞬間 車の前方に糸のように細く赤い光線が無数に走り、警報が鳴る。

上から降りてくる表示画面には『caution!』の文字が映し出され、アナウンスが流れる。


「お約束が無い場合は許可証の提示をお願いいたします。」


ケインは手にした小さな金属のカードをフロントガラスに掲げ、認証を待つ。


ややあって、表示画面の下部からカードへと青白い光線が照射され、再びアナウンスが流れた。


「内容確認が出来ました。中央奥のエレベーターから研究室へお越しください。」


ケインは車をドックの中央にある回転台の上まで動かし、車を降りる。


「さぁ、行きましょう。」