ケインは驚いてリディアを見る。

「リディア様、あそこは危険です。

お一人では行かないようにと国王様からも言われているではありませんか!」


「ケイン、私はもう16です。

王家の者なら もう一人でも入ることの出来る年齢です。

どうしても、確かめたい事があるの。

お願い。」


「しかし、今日は随分お疲れかと存じますが・・・」


「お願いです。ケイン。

少しでも早く行きたいの。
今、行かなければいけない気がするの。

・・・だから・・・。」


「・・・わかりました。」

ケインは不承々頷いた。


動力炉は、海沿いのコンビナートの一角にある最も大きな建物の中にある。

そこはラドニアの原動力となるラジウムの機密生産場所であり、言い換えればジプサムの格納場所でもある。

故に、その警備は厳重で、許可無しで出入りが出来るのはごく一部の研究者と王家の者だけと定められていた。