リディアは空を見上げていた。

銀色の鳥は輝く光の尾をたなびかせ、南の空へとその姿を消す…


「リディア…」

母、アーリアがその肩にそっと手を置く。


「お母様…」

リディアは振り向いてアーリアに微笑む。


「これから…ですね。」


「ええ。 お母様。

ラドニアは、今始まったばかり…」


「ラドニアの民は、もう二度と道を誤ることは無いでしょう。

私たちは、民を信じ、民とともに明日を紡いでいくのです。」


リディアは大きく頷いて、再びその視線を前へと向ける。