リディアはそう言うとユウリを突き放し、黒い塊に向かって走った。


「リディア―――――!!!」

ユウリの足は、固まったように動かない。


リディアは黒い塊の下で、ゆっくりと振り返る。

そして、ユウリに向かって穏やかに微笑んだ後、その碧色の瞳を閉じた。






リディアの体はゆっくりと後ろに倒れ、何者かに操られるように、黒い塊に向かって昇っていく。

そして、その体の中心が黒い塊の突先と向かい合ったその時


――パーンッ!!


リディアの体は凄まじい閃光を放った。

一瞬、部屋の中は真白な光に包まれる。



次にユウリの目に映ったものは・・・

青緑色に眩い光を放つ巨大な鉱石と・・・


その下に横たわる、リディアの姿だった。