「しかし王妃様、

ラドニアをこのようにしてしまったのは・・・

フェルナンド様をこのような姿にしてしまったのは・・・

私です・・・。」

オウガの硬く握った拳に涙が落ちる。


「いいえ、それは違います。

それは全て王室がしてきた事。

こうなる事に気付かなかった、私たちが悪いのです。」


「王妃様・・・。」


「オウガ、これからのラドニアを、あなたが支えていってはくれませんか。」


「何をおっしゃいます!」


「もう、王室が政治を司る時代は終わったのです。」


「そんな・・・」

オウガは声を詰まらせる。


「そうですね。リディア。」

アーリアはリディアを見上げて言う。


「ええ。」

リディアは大きく頷く。


アーリアは、オウガを真っ直ぐに見つめて言った。


「国は、王室が創るものではありません。

国は、民が創るのですよ・・・。」