「悪い。皆ちょっと下がっててくれ。」


――カチッ シュッ

ユウリは導火線に火を点ける。


――ボンッ!!


激しい爆音とともに、その扉は向こう側にバタリと倒れた。


その扉の向こうにあったものは、

何も映されていない沢山のモニターと、

あちこちからパチパチと火花が散る操作パネル、そして・・・

その前でうつ伏せになって倒れている国王フェルナンドの姿だった。


「フェルナンド!!」

王妃アーリアは、足を引き摺りながらフェルナンドの元へ近付いていく。


「お母様!」

「待てよ。」

ユウリは駆け寄ろうとするリディアの腕を掴む。


「俺達は、ここで待つんだ。」


リディアは、怪訝そうな顔でユウリを振り返る。


「あいつは、もう何も出来やしねェさ。

最期くらい、そっとしといてやれ。」