「姫さま~!」

突然ドアがバタン!と勢いよく開いて、くるくるの巻き毛の小さな女の子が飛び込んで来た。

「これ!ニコル! 
お部屋に入る時にはノックをしなさいとあれ程言っているではありませんか!!」


ニコルは「あ!」っと口を抑えて下を向いた。


「まぁ。小さいころの私にそっくり!」

リディアがくすくすと笑う。


「それで、何の用ですか?」


「あの・・・ユウリの、お芋が焼けました!!」


ニコルはそう言うなりくるりと向きを変えて、またパタパタと走っていってしまった。


はぁ・・・と溜息をつきながら、シスターはリディアに向かって両手を挙げ、肩をすくめてみせる。


「リディア様、ご一緒にいかがです?

ロトスのお芋はとろけるように甘いのですよ。」


「ぜひ!」

リディアは嬉しそうに微笑んだ。