カラス達は、目の前にうごめく大きな光に目を細める。


「どうやら気付かれたみたいだな。」


「ああ。いよいよだ。

リディア、頭を抱えて座席の下にもぐってな。」

ユウリは機関銃を構える。


――ガガガガガガッ!!

カラスの飛行機がラドニアの港の上空に見えると同時に、装甲車からの激しい攻撃が始まった。

ユウリは、上空から装甲車を目掛けて手榴弾を撒きながら、銃で反撃する。

しかし、相手の執拗な攻撃は後を絶たない。

――ズキューン

ラドニア軍の放った弾の一つがユウリの左上腕を掠める。

「うっ!!」


「ユウリ!!」

リディアが思わず叫ぶ。