カラスがフロントパネルのスイッチを入れると同時に、機体の中心部が青色の光を放つ。


――ブルブルブルブル・・・・

体に大きな振動が伝わってくる。

――ブォォォォ!!

凄まじい轟音が響き、機体は一気に加速を始める。

――ガタガタガタガタ!!

体にぐっと押し付けられるような大きなGが掛かる。


リディアは思わず座席を握り締める。


「ごめん。リディアさん、ちょっと我慢しててね。」

カラスはそう言うと、操縦桿をグイッと引き上げる。


「行けっ!!」


次の瞬間、機体は水平の状態を保ったまま一気に上昇を始めた。

機体はみるみる地上から離れて行く。

街が、港が遠ざかって行く。


「やった!!」


銀色の鳥は、紺碧の空高く舞い上がっていった。