『あー、えー、兄貴―、聞こえるー?!
兄貴、緊張するとヘマするからさぁ。
リラックス、リラックスぅー!
ちゃんと飛ばせないと、アタシが許さないからねー!!』

「あ、ココ、あいつ・・・」


『カラス、自分を信じろ!
それだけだ。』

「ブロスだ・・・。」


『カラスくん、成功を祈りますよ。』

「ライトまで・・・。」


『カラスいいかい、しっかりしな!

それは父さんの形見なんだ。

きっちり飛ばすんだよ!!』


「お袋・・・」




「・・・ユウリ・・・ありがとな。」

カラスはゴシゴシと目を擦って無線のスイッチを切ると、大きく息を吸い込む。

そして、それをゆっくり吐き出すと、真っ直ぐ前を向いて両手で操縦桿を握った。



(親父・・・見ててくれ。)


「エンジン、起動!!」