「なぁカラス、 これから戦地へ赴く俺達に、お見送りってのは無いわけかな・・・。」 ユウリがふいにぼそっと呟く。 「え、ええ?・・・何言ってんだよユウリ。 別れは夕べきっちりしてきただろう。 ココだって、あんなに泣いちゃってさぁ。」 カラスが脱力したように言う。 「そうよユウリ。ライト先生にもお別れはしてきたし・・・。」 ユウリはそれには答えず、おもむろに助手席の前にある無線スイッチを入れた。 ――ガチャガチャ!! 突然、レシーバーの向こうから大きな声が響く。