Ⅹ(クロス)

「そういう訳だ。 ジャコス。」

ユウリは、リディアの帰りを見計らって駆けつけたジャコスに、事の次第を説明する。


「しかし・・・。 こいつはほんとに大丈夫なのか?」

ジャコスはコンコンと銀色に輝く飛行機の脇腹を叩きながら、カラスに訊く。


「大丈夫だよ。 試運転もしたし。」


「試運転て、お前あれは・・・」


「大丈夫。 親父の設計に間違いは無い。

それに・・・試運転は、ほんとにしたんだ。」

カラスは真剣な目でユウリを見る。


「大丈夫だから。」


「そうか。 そこまでカラスが言うなら、信用するしかねぇな。」


「おいジャコス・・・お前そんな簡単に言うなよ!」


「ユウリ、一度くらい、カラスを信用してやれ。

こいつぁ、親父の形見だろ。

ヘタなもんは作ってねぇ筈だぜ。」