小さく声を上げるリディアの視線の先には、大勢の村人たちの姿が見えた。

彼等は皆跪き、頭を垂れている。


「皆さん・・・!!」

「こんなに大勢・・・来てくれたんだ・・・」


「どうしても、見送りたいと言っての・・・聞かんのじゃよ。」


「クロス様・・・どうかご無事で・・・」

「クロス様・・・」  

「クロス様・・・」

「クロス様・・・」


リディアの定めを知る者達は、皆涙を浮かべながらリディアを見上げる。


「ありがとうございます・・・。皆さん・・・」

リディアは声を詰まらせる。


「私達はここで、あなたの無事を祈っております。

ジプサムのご加護がありますように・・・と。」



―――シャラーーン!!