――ドクン


リディアの中の何かが疼く。

これは、恐怖? 不安? それとも・・・希望?

リディアは、その手をそっと胸に当てる。

その手が、僅かに緋色の光を帯びる。


――ドクン

――ドクン

――ドクン



リディアの小さな体は、僅かに震えているように見える。


「よく・・・似ておるのぉ・・・。 ルシアに・・・。」

ナフサはそう言って、泣くとも笑うともつかない様に顔を歪めながら、リディアを静かに抱き締めた。