「なぁ、ユウリ・・・」

カラスとユウリは女の後について村の診療所ヘ向かう畦道を歩く。

「なんで、リディアさんなのかな・・・。」


「何がだよ。」


「なんで、リディアさんでないと駄目なのかな・・・。」


「そんな事、俺が知るかよ。」

ユウリは怒ったように言い、

カラスの腕を掴む手に、力が入る・・・


「痛て・・ユウリ・・・腕、痛いって・・・」

カラスはユウリの横顔を見る。


「あいつ・・・あんな小さな体で、目いっぱい無理しやがって・・・。」

ユウリの目は真っ直ぐに前を見据えている。


「ユウリ・・・あ、あのさ・・・」


「ん? おい、カラス・・・!」

急にユウリがカラスの足元を見る。


「へ?」