「す、すげー! 魔法使いみたいだぜ!」

カラスが興奮して叫ぶ。


「気の力じゃよ。」

ナフサはさっさと中へ入って行く。


「おい!ちょっと待ってくれよ。」

ユウリはカラスを庇いながらその隙間へと足を踏み入れる。


(!! 何だこれ。)

体に強い空気抵抗のようなモノを感じる。

構わずグイと力を入れると、体はスポンと中へ押し出された。

(人を選ぶのか? これは・・・)


「リディア、ほら」

ユウリは左手をリディアに差し出す。


「あ、ありがとう。」

リディアはその手を掴むなり、するりと中へ入り込む。


「やっぱり、選ぶわけだ・・・。」

「え?」


「あ、いや、こっちの話。」

ユウリは苦笑しながらナフサの後を追った。