「カラスさん!!」 「カラス!!」 ぐったりとその身を横たえたカラスは、眉ひとつ動かそうとはしない。 その衣服は所々焦げ、手や顔に爛れたような火傷の跡が残る。 「カラスさん、起きて! お願い起きて!!」 リディアは泣きながらその体を揺するが反応は無い。 「ねえユウリ、薬は?!」 「ぁ、ああ、お前の薬がまだ・・・」 ――ガサガサッ 「待たれい!!」 突然、背後から聞き覚えの無い声が響く。 「えっ?!」