扉の向こうから疲れた表情のジャコスが入ってくる。


「ジャコス、船はどうした?」

ブロスが驚いて訊ねる。


「小隊を残して引き上げて来た。

心配なのはシュラムに行ったあいつらの方だ。

お前もそうだろ、ライト。

だから、こんな時間にこんな所にいる。」


「ええ・・・。 嫌な予感がしたものですから。」

ライトは苦笑しながら言う。


「奴らの目的は戦争をする事じゃない。 

その目的はただ一つ、ジプサムの強奪だ。

今それがはっきりと分かった。」

ジャコスはドンッとテーブルにザックを投げ出して言う。


「どういうことだ?」