Ⅹ(クロス)

「ユウリ、だ、ダメだ! 来るな!

お前は、リディアさんと一緒に湖の反対側にある谷に下りるんだ。

早く行け!! 早く・・・」

そう叫ぶカラスの声は掠れる。

その体は炎に塞がれて、もはやユウリからは見えない。



「カラスーーー!!」



ゴォォォォ――――!!

凄まじい熱風が火の粉を撒き散らす。


「カラス・・・さん・・・?」

リディアは、呆然とその場に立ち尽くす。



『!!』

次の瞬間、リディアの意識は大きく揺らぎ、膨大な量の記憶の波が、その脳裏に押し寄せて来た。