「・・・!! どうして?!」


「どうした?」


リディアは両手で耳を押さえながら叫ぶ。

「森が、悲鳴を上げてるわ!!

大地が叫んでる!!

森が、森が死んじゃう!!!」

リディアの様子は尋常ではない。



――バラバラバラ


(何だ、あの音は!!)

ユウリが立ち上がって森に目を遣ると、上空には旋回する銀鼠の軍用ヘリ、

その下には黒煙が立ち昇る。


「クソッ! 奇襲か!!」


その煙は激しい風を巻き上げながら火の粉を散らし、こちらへ迫って来るように見える。


「ヤバイな。
ここにいたら、炎に囲まれちまう。」


「でも、どこへ逃げたら・・・」





――その時、森の中から、聞き覚えのある声が叫ぶ。


「ユウリ!! そこにいるのか?!」