(煙草の・・・匂い?)

「・・・ん・・・ユウリ」

リディアは眩しそうに手を翳しながら、その目を開ける。


「少し、眠れたか?」

ユウリは体を斜めに起こしながら、その腕の中にいるリディアの顔を覗きこむ。


「私、寝ちゃったの?」

リディアは、体に掛けられたユウリのジャケットをそっと掴み、恥ずかしそうにユウリを見上げる。


「ああ。

ゆっくり寝てろと言いたいとこだが、
熱も引いたようだから、そろそろ起きてもらおうかな。」


「あ・・・うん。」

リディアは頬を高潮させながら、起き上がる。


「ごめんなさい。私・・・ 」


そう言いかけたリディアの顔がみるみる青ざめる。