「リディア!!」


光りの柱の手前に突然姿を現したリディアの体からは、薄っすらと緋色の光りの蒸気が立ち昇る。

「ユ ウ・・・リ・・・・」

リディアは、ユウリの顔を見ると僅かに微笑んで、そのまま崩れるように草の上に倒れた。


「あ、 お、おい!!」

ユウリは思わずリディアに駆け寄ると、その体を抱え起こす。

リディアの白い肌は、内側から溢れる熱で僅かに赤味を帯び、その額にはうっすらと汗をかいていた。

小さな紅色の唇から吐かれる息は荒い。


「熱が、出てるのか・・・」

ユウリは胸のポケットの中から、もしもの時にとライトから渡された小さな薬の瓶を取り出した。

ガラスの瓶の中には、薄紫に輝く液体が入っている。

ユウリはそのコルクの蓋を口で開けると、中の液体を口に含み、リディアの唇の中へとそっと流しいれた。

コクンと、リディアの咽が小さく揺れる。