Ⅹ(クロス)

光りの柱は、リディアの体を捉えたままゆっくりとその糸を引き込み、やがて、リディアの体をその柱の中へと導き入れた。








リディアは、ゆっくりとその目を開ける。

水底から聖なる蒼い光を放つ湖。

リディアの体は光の糸に捉えられたまま、その湖面に浮かんでいる。

一切のモノから解き放たれたその白い肉体は、もはや人間のそれとは思えないほどの透明度を持ち、

宙に浮かぶ髪の毛の先までも、寸分の隙も無いほどの神聖な輝きに満ちていた。