Ⅹ(クロス)

「お前、何で夜のうちなんだよ・・・。

もう軽く3時間は歩いてるぜ・・・。

しまいにゃ、夜が明けちまうって・・・。」

ユウリは立ちふさがる木々の枝を払いながらリディアを振り返る。


カルマの森の中は、不思議な生気に満ち溢れ、木々の梢からは断続的に青白い煙のようなものが噴出している。


「ごめんなさい・・・。

だって、朝になったら、あの光りの柱が消えちゃうような気がしたんだもの・・・。」


「っつーか、全然大丈夫みたいだし・・・」

ユウリは顔を上げる。


あと少しの所に迫った光の柱は、益々その輝きを増しているように見える。


「多分・・・あそこはセシリア湖の辺りだぜ。」


「セシリア湖?」


「ああ。我らが神、ジプサムが眠っているところさ。」


「ジプサム・・・」