――バラバラバラバラ

ジャコスの耳に、微かなプロペラ音が響いてきた。

ジャコスは、咄嗟にその音の方角へ向き直り、その目を見開く。


「あれは・・・!!」


その目に映ったものは、遙かラドニアの方角から近付いてくる、一基の軍用ヘリだった。


「しまった! 空か!!」


銀鼠に輝くそれは、爆音を響かせながらジャコス達の頭上を通り越し、西南の方角へとその姿を消した。


ジャコスは急いでブリッジに駆け込むと、無線のレシーバーを掴んで叫ぶ。


「ユウリ!! ユウリ!! 聞こえるかー!!」