「よし。分かった。

では予定通り明日、事を決行しろ。」


「畏まりました。」

オウガは頭を下げ、ドアのノブに手を掛ける。


「オウガ。」

後ろからフェルナンドが呼び止める。


「何でしょう。 国王陛下。」


「案ずる事はない。

この作戦が成功すれば、全てがうまくいく。

国民の信頼も戻ってこようぞ。

勝利は、目の前にあるのだ。」


「国王陛下、私は決して案じてなどおりません。

私は、国王陛下を、フェルナンド様を信じております故・・・。」

オウガはフェルナンドを真っ直ぐに見上げてそう言うと、右手を胸に当て、深々と頭を下げた。