その腕の内側には、沢山の小さな赤い斑点が広がっていた。


(ラドニアに広がっているという、得たいの知れない流行り病・・・。 

この人はまさかそれに・・・)


「それであなたは・・・、あんなに焦っていたのですか?」

アーリアはその腕を掴んだまま、震える声で小さく問いかける。


フェルナンドは薄っすらと目を開け何か言おうとして、またその目を閉じた。


「フェルナンド・・・」

アーリアはそっとその手を戻し、俯いて小さな嗚咽を漏らした。