「戦わずにラドニアを救う方法・・・か。

ふっ。 そんな事は考えてもみませんでしたよ、義姉上。

国が戦わずして相手の持っているものを手に入れる事が出来るなら、そんなに有難い話はない・・・。」


フェルナンドは、その表情を硬くしてアーリアを見る。

「そして・・・、そんな話は、有り得ない。」


アーリアは、悲痛な眼差しでフェルナンドを見る。

「フェルナンド・・・、暴動は・・・収まったのですか?」


「暴動・・・!

ははは・・・。

義姉上は、何でもお見通しだ・・・。

暴動は続いていますよ。

酷くなってきていると言ってもいい。

義姉上、結局彼らも戦っているのです。我々と・・・ね。

自らの欲求の為に戦っているのですよ・・・。」



フェルナンドは、苦しそうに顔を歪めながらドアの横にあるソファーに腰を下ろす。


「義姉上・・・、申し訳ありませんが、少しここで休んでいっても構いませんか?

さすがに私も、少し・・・疲れました・・・。」


フェルナンドはそう言うなり、そのままソファーに倒れこんだ。