――コト

国王フェルナンドは、小さな丸いテーブルの上に銀のトレーを置く。

「少しは召し上がってください、義姉上。

あなたがそうして弱っていかれるのを見るのは忍びない。

それとも、そうやって私を苦しめているおつもりですか?」


「苦しめているのは、あなたの方ではありませんか、フェルナンド。

夫を亡き者にされ、今また娘までもあなたに命を狙われている。

私には、もはや成す術も無いのです。

この状況で、どうして苦しまずにいられましょう。」



フェルナンドは苦笑しながらテーブルから離れる。


「そうでしたね・・・。

全くその通りだ。 

私はいちばん大切な人を、この上も無く苦しめてしまっている・・・。」


「フェルナンド、何故、あなたは戦うのです?

戦わずにこの国を救う方法はないのですか?」