「リディアさん。」

ライトがリディアに羊皮紙で出来た茶色の袋を手渡す。


「必要なものは、全てこの中に入っています。

シュラムの村に着いたら、まず、『ナフサ』という人を訪ねてください。」


「ナフサ・・・さん?」


「ええ。

彼女は、シュラムの誰よりもジプサムの事を知っています。

そして、あなたが何をすべきかも・・・。」

ライトはその顔を曇らせる。


「・・・。

分かりました。ライト先生。」

リディアは袋を持つ手にギュッと力を込める。


「では・・・行ってまいります。」

リディアは、凛とした声で言い、ライトを真っ直ぐに見上げた。


「気をつけて。」

ライトはその目を細め、小さく頷いた。