その時リディアは左腕に違和感を感じた。


ふと見ると、左腕に嵌めたバングルに書かれた文字が、碧色の光を放っている。

それは、まるで呼吸をしているかのように光の波動を起こし、その波はリディアの心を揺さぶる。


(あぁ・・・私は行かなければならないのだわ。

早く、行かなければならない・・・。

みんな苦しんでいる。

そしてきっと、もっと恐ろしい事が起きる。

だから、行かなければ・・・ならない・・・。)



リディアは、何故自分がそう思っているのか分からなかった。

けれど、リディアの心のどこかでそれは、確信という名の鎖になってリディアを捕らえて放さなかった。



リディアは、ふと隣のベッドに目を遣る。



そこには、ココが小さな寝息をたてて眠っていた。


(平和な島・・・。 暖かい人達・・・。)


リディアは、ぎゅっと目を瞑る。


(ごめんね。ココちゃん・・・

お友達になれたばかりなのに・・・、

私、もう行かなくちゃ・・・いけないみたい。)